ブックタイトルファッション業界お仕事ブック

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概要

ファッション業界お仕事ブック

服に施す刺?イメージを手描きで練る手の込んだ服づくりでブランドの歴史を築く。 ファッションデザイナーには、大きく分けるとふたつのタイプがいる。服の全体像をイメージしてから、細かな仕様に落とし込んでいくタイプ。それとは反対に、生地や装飾技術など細かな仕様から入り、全体のデザインを固めていくタイプ。 ロキトのデザイナー木村晶彦さんは、後者だ。昔の生地や模様、伝統的な装飾技術を現在に応用したデザインを考案している。「僕は今の時代に即していないデザイナーかもしれません。トレンドは少し意識しますが、価格帯は高め。しかも、服を届ける人の年齢をあえて定めていません」 着る人の年齢や好みにとらわれず、木村さんは服をデザインしている。「ほかのブランドには真似できない、手の込んだファブリックやテクニックを使っています。生地や技術からデザインを考えるのは、男性的な手法かもしれませんね」 また、木村さんは 「ブランドを長く続けるために、幅広い人に向けて服をつくっている」 とも言う。「自分が手がけた服をどう受け止めるかは、人それぞれでいい。クラシックな模様や生地を使った服は、高齢の方には懐かしく感じられるけど、若い人には新しくてかわいいと感じられることがあります。デザインに対する印象や視点は人によって違います。そして、長い間、最前線で活躍しているブランドには、幅広い人の好みを包括できるだけのデザイン力がある。ロキトもそんなブランドを目指しています」 。 生地、模様、フォルムなど、ディテールを追求し続けたことで、ロキトは幅広い層からの支持を集めてきた。緻密なクオリティをブラッシュアップできる高いデザイン力が、今後もブランドの歴史を積み重ねていくのだろう。IDEA SOURCE1. 使用する糸の色を見ながら、刺?の原案を考える。 2. 2016年春夏コレクションに発表したハチドリの刺?柄レースワンピース。女優・モデルの本田 翼さんが、第13回香港アジアン映画祭の舞台挨拶で着用していた。12定期的に文化服装学院の図書館などに行き、気になった模様や刺?柄をファイリング。「昔の技法や模様からインスピレーションを得て、どうやってオリジナルに仕上げるかを考えています」。デザイン資料をストックPROFILE :LOKITHOBRAND :木村晶彦NAME :ロキト / 2010年ブランド設立。2011年には、東京新人デザイナーファッション大賞に入賞。ブランドコンセプトは“For wittywomen”(精神的に成熟した女性のための洋服)。日本の技術力を活かしたエレガントなコレクションで注目を集めている。きむらあきひこ / アパレルデザイン科卒業。1979年、京都府生まれ。大学卒業後、文化服装学院に入学。在学中、第78回装苑賞・イトキン賞を受賞。卒業後、G.V.G.V.でMUG氏に師事。30歳を機にブランドをスタートさせた。Create 02デザイナーBunka Fashion College 1. Create 28