ブックタイトルファッション業界お仕事ブック

ページ
32/92

このページは ファッション業界お仕事ブック の電子ブックに掲載されている32ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

ファッション業界お仕事ブック

HAPPY MOMENT企画スタッフと二人三脚で一着の服を丁寧につくりたい。 デザイナーがブランドの顔となり、パタンナーはその後ろでデザイナーを支える。そんなイメージを持っている人も多いのでは? どちらも服をつくる大事な職種だが、一般的にはデザイナーの方がフィーチャーされやすい。しかし、クオリティの高い服をつくるためには、パタンナーの優れたスキルが不可欠だ。 イッセイ ミヤケの技術スタッフとして働く長﨑隆史さんは言う。「イッセイミヤケでは、技術スタッフが企画スタッフのイメージをベースに、パターンを作成します。けれど、単に指示通りのパターンを起こすのではなく、仕様などを考えた上で企画スタッフに新たに提案することもあります。クオリティを高めるため、イッセイ ミヤケでは、技術スタッフと企画スタッフが意見交換し、デザインを固めていきます」。 縫製工場や染色工場を訪れ、デザインの仕様を伝えるのも技術スタッフの役割だ。「仕上がりのイメージを伝えに行くのですが、同時に、職人の考えも聞きます。いろいろな人のアイデアを聞きながら、時間をかけて一着一着仕上げていく。そうやって試行錯誤を繰り返し、イッセイ ミヤケらしい、どこか新しさのある服をつくっています」。 また、製作の途中で三宅一生さんの意見を直接聞くことができる機会もある。「日本のファッションシーンの一時代を築き、世界で活躍してきた方と一緒に働けることは、すごく刺激的で、勉強になります」。 長﨑さんは今、シャツをメインに担当しているが、今後はジャケットやパンツなどのアイテムも手がけていきたいそうだ。「自分でも納得できるスキルにまだ達していませんが、もっと技術を磨き、知識を蓄えて、今までにないような新しい服をつくってみたいです」。121. 建築、アート、民俗など、イッセイ ミヤケの会議室の本棚には幅広いジャンルの本が並ぶ。写真右手前(Luis Barragan / TOTO出版)。 2. デザイン画をもとに、丁寧にパターンを作成していく。集中力のいる作業だ。自分がつくった服を着ている人を見かけた時が一番うれしいという長﨑さん。伝統を尊重しつつ、新しさのあるイッセイ ミヤケのデザインに、自身も惚れ込んでいる。ブランドをつくる自分もイッセイファンのひとりPROFILE :ISSEY MIYAKECOMPANY :長﨑隆史NAME :イッセイミヤケ / 1970年にデザイナーの三宅一生が事務所を設立。1971年にニューヨークで初のコレクションを発表。1973年にはパリコレクションに参加。身体と衣服の関係に着目しながら、研究・実験・開発を通し、常に新しいものづくりに挑戦し続けている。ながさきたかふみ / ファッション高度専門士科卒業。1991年、福岡県生まれ。もともと、ものづくりが好きで、服飾関係の仕事に興味を持つ。ポリシーは「朝一番に出社すること」。Create 04パタンナーさまざまなジャンルからアイデアを拾うBunka Fashion College 1. Create 30