ブックタイトルファッション業界お仕事ブック

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概要

ファッション業界お仕事ブック

PROFILE :Coci la elleBRAND :ひがしちかNAME :コシラエル / 2010年、一点物の日傘屋としてスタートし、独自の世界観が注目される。2011年より雨傘やスカーフなども展開。2015年に東京・清澄白河にアトリエを併設したショップ、コシラエル本店をオープン。ひがしちか / 服装科卒業。1981年、長崎県生まれ。コシラエル主宰、日傘作家。日傘はもちろん、スカーフなどの小物のデザインのほか、ブランドのディレクション、本の装画や執筆なども行う。Create 06日傘作家清澄白河にショップ兼アトリエを準備している頃に、近所のゴミ置場で見つけたという椅子。「このフォルムがたまらなく好きで、拾ってきてしまいました。ちょうどいい大きさと高さで、作業をする時はいつもこの椅子に座っています」。作品づくりを支える椅子直接会ったり、触れたりすることが大切。 東京・清澄白河の住宅街にショップ兼アトリエを構える日傘ブランド、コシラエル。その主宰者で日傘作家のひがしちかさんが、毎朝アトリエで描く一点物の日傘には、見る人の心をやわらかくしてくれる力がある。 美術館巡りが趣味だった父親の影響もあり、絵を描くことがもともと好きだったひがしさん。高校卒業後、ファッションデザイナーを目指し服装科に入学。在学中は、ファッションブランドのパーティに飛び込みで参加したり、卒業後は、アタッシュ・ド・プレスの手伝いや、ファッションブランド、シアタープロダクツのアシスタントをしたりと、積極的にファッション業界に携わっていたが、25歳の時にシングルマザーに。「子育てをしながらでも働けそうな事務の仕事を希望してもすべて落ちてしまったり、派遣の仕事が続かなかったり……。だけど、娘とふたりで生活していくには働かなくてはいけない。〝ものをつくる?ということは好きだけど、自分が何をしたいのか、何が向いているのかがわからなくて、悶々とした状態が続いていました」。 そんなひがしさんに転機が訪れたのは、27歳の時にある決断をしてからだという。「自分は何ができるかと考えた時、志とやる気と健康な体しかなくて。でも、″ものをつくる?ということはしたくて、ずっと模索していました。とにかく自分にしかできないことでないと埋もれてしまうと思っていたある日、以前自分で色をつけて刺?を施した日傘の存在を思い出して『これかも!』と思ったんです」 。日傘づくりに専念しようと決めてからは、まず構造を理解するために傘を分解したり、企業や工場に直接質問をしたりと、とことん追求したことで自己流のつくり方にたどり着いたという。 2010年7月、初の個展をきっかけにミュージアムショップで展示する機会などを得て、見る人を魅了してきたコシラエル。ひがしさんが、日傘作家として、コシラエル主宰者として大切にしていることとは? 「とにかく自分の足で現場に行って、素材に触れて、人と直接話すことです。お客様にせよ取引先にせよ、生身のやりとりだからこそ、人の心を動かすことができると思っています」。1. 娘さんが描いたイラストのコラージュやビーズのスキャンなど、さまざまな手法で作成した原画をもとにしたスカーフ。 2. 色とりどりの日傘や雨傘が、天井までディスプレイされた店内。 3. 原画は、水彩や色鉛筆、クレヨンを使うことが多い。2 13MY GOODS異空間を訪れたような感覚にBunka Fashion College 1. Create 32