ブックタイトルファッション業界お仕事ブック

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概要

ファッション業界お仕事ブック

手仕事の温かさのある、長く受け継がれるアイテムを。 世界中の伝統文化を独自の視点や感覚で取り入れたポータークラシックは、日本製にこだわり、長年使い続けられるものづくりを目指している。そのコンセプトを支えるのは、全国各地の協力工場と、自社アトリエで製品を手仕事で仕上げる「お針子」と呼ばれる人たち。お針子の業務は幅広く、自社製品の補修、カスタム、企画、商品管理までさまざまな業務を担当している。 田中あすかさんはお針子として入社して4年目。美術系高校で日本画を専攻していたが、卒業の頃には平面ではなく立体的なものづくりがしたいと考え、田中さんの地元である福岡の伝統工芸、博多織の工場に就職した。5年間勤務の後、和服中心のテキスタイル製作よりも洋服に携わりたいと思い、23歳で文化服装学院に入学。雑誌の特集で見たポータークラシックがまさに自分の理想的なものづくりをしていると知り、2年生の時にインターンを志願、1年半ほど勤務した。そして卒業後お針子として入社し、今に至る。 田中さんがインターンに応募した当時、ポータークラシックはインターンを募集していなかった。そこへ「どうしても入りたい! 」と勇気を出して、その熱意を受け入れてもらった経験を持つ田中さん。「つくることが好きという気持ちを大切に持ち、飛び込む勇気があれば憧れに必ず近づける。諦めずチャレンジして欲しい」。 ポータークラシックが大切にしているハンドワークや対応力は、消費社会の現代では驚くほどに、こだわり貫かれている。例えば、自社製品であればどんな補修やカスタムでも受けつけるというサービス。以前、田中さんが製作した巾着を、ボロボロになっても補修してまだ使いたいと言ってくださるお客様がいた。また、製作した刺?イラストを気に入ってくださったお客様から、持っているポータークラシックの服すべてにトレードマークとして入れて欲しいと頼まれたことも。「自分のつくったものがお客様の愛用品として長年使われることにこの仕事のやりがいを感じます」と語ってくれた。1. 刺?やステッチを施して仕上げる細かな手仕事が多い。 2. 今春のカットソーは田中さんが企画に参加したアイテム。「反応が楽しみ」と話してくれた。 3. 何度も補修して商品を愛用してくださるお客様が多い。231今春のカタログに自分が企画したアイテムが登場!PROFILE :PORTER CLASSICCOMPANY :田中あすかNAME :たなかあすか / ファッションテキスタイル科卒業。1987年、福岡県生まれ。文化服装学院卒業後、アパレルブランド ポータークラシックに入社。お針子として自社製品の補修、カスタム、企画、製品管理まで幅広い業務に携わっている。ポータークラシック / 吉田克幸、吉田玲雄が2007年に設立。「メイドインジャパン」「世界基準のスタンダード」をコンセプトに掲げる。伝統からアンチテーゼ芸術文化、職人技術を取り入れながら次世代そして孫の代まで愛される商品を追求。Create 09お針子日本の民藝品が好きな田中さん。有名作家の作品ではなく、一般の人たちが使ってきた日用品に美しさを感じるそう。壊れても修理して道具を愛用し続ける昔の人の姿勢は、今の田中さんのものづくりに通じる。使い続けられる日用品の美しさMY INSPIRATION35 1. Create Bunka Fashion College