ブックタイトルファッション業界お仕事ブック

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概要

ファッション業界お仕事ブック

集めた情報をもとに自分らしい靴づくりを。 大学卒業後に文化服装学院に入学した北村華英さん。洋服をつくれる人はたくさんいる、自分はもっと専門的な技術を身につけたいと思い、シューズデザイン科へ進んだ。 「学生時代は毎日靴をつくっていました。放課後、友達と一緒に課題をやったのがいい思い出です」 。 現在、北村さんが担当しているブランドはエルプラネットとボディフォーカスのふたつ。比較的価格帯の安い、エレガントなデザインが中心のブランドだ。デザインと並行して素材や色を決め、工場への発注、サンプルチェックと修正を繰り返し、取引先との商談を迎える。完成までにいくつもの工程を繰り返しながら、毎シーズン各ブランド約20?40足の靴をつくるのだ。「仕事を始めて感じたことは、実際に売れる商品をつくることの難しさです」と語る北村さん。自由な発想から靴づくりをしていた学生時代とはそこが大きく違う点だ。「発想力よりも、得た情報をもとに、いかにそれを自分らしく形にするか、それが重要なんです。街中でどんな人がどんな靴を履いているか、その靴にどんな服を合わせているのか、日々情報収集は欠かせません」。しかし、集めた情報をもとにアウトプットするだけでは自分のデザインとは言えない。消費者やブランドが求めているものに自分なりの工夫を加えて形にする。売るための靴づくりは簡単ではない。「毎シーズンたくさんの靴をデザインするのでネタが尽きそうになることもあります。消費者から求められているものと自分のやりたいデザイン、そして価格帯……これらのバランスをうまくコントロールしなければいけません。でも、苦労してつくった商品に対して、店舗の方やバイヤーさんからいい反応が返ってきた時は本当にうれしいです」 いろいろな方との商談の場ではコミュニケーション力も必要になってくる。 「見た目だけでは伝えきれない商品の良さを、きちんと言葉で伝えられることが大切です。自分の好きなものやいいと思うものを、誰かに共感して欲しい! という強い思いが、売れる靴づくりにつながるのだと思います」 。1 . 北村さんがデザインした靴の数々。女性らしいパンプスやミュールが中心。「春夏の新作はやわらかい色や明るい色を取り入れました」。2. デザインする時は生地サンプルを見ながら。「できるだけ素材を活かしたデザインを心がけています」。MY GOODSさまざまな種類の生地サンプルとアイデアを書き溜めているノート。「デザインはふとした瞬間に思いつくことが多いので、すぐスケッチできるようノートはいつも持ち歩いています」。デザインする時の必需品21PROFILE :madrasCOMPANY :北村華英NAME :マドラス / 名古屋に本社を置く高級革靴メーカー。社名のマドラスは1946年にイタリア・バノッサで誕生した高級紳士靴ブランド、madrasに由来する。現在ではビジネスからカジュアルまでメンズ、レディス共に幅広いブランドを取り扱っている。きたむらかえい / シューズデザイン科卒業。1990年、東京都生まれ。大学を卒業後、文化服装学院へ。マドラスに入社し、今年で3年目を迎える。担当ブランドはエルプラネットとボディフォーカス。Create 21シューズデザイナー情報をもとに自分らしく形にする47 1. Create Bunka Fashion College