ブックタイトルファッション業界お仕事ブック

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概要

ファッション業界お仕事ブック

1. 頭の中にあるイメージをデザイン画に起こしていく。スケッチブックには今までに描き溜めたデザインアイデアがいっぱい。 2. デザインする際は、実際に使用する革や糸などを手元に置きながらできあがりをイメージして行う。 3. 量産する時は細かな設計図を描いて発注する。土屋鞄というブランドの下で自分らしいデザインを。 学生時代からインターンを経て土屋鞄に入社した丸山 一さん。当初はランドセルづくりの職人として工房内で働いていた。 転機が訪れたのは1年後。鞄づくりの基礎を知っている職人のなかで、デザイナーになりたい人を募集する社内公募があった。「土屋鞄にいる限りはずっと職人でやっていこうと考えていました。でもいつかはデザイナーになりたいと思っていたので、思い切って応募してみたんです」。先輩も数多く応募するなか、選ばれたのはたった2名。丸山さんは夢だったバッグデザイナーになることができた。 デザイナーになり早1年。感じているのは職人時代とはまったく違う仕事の難しさだ。「昔から誰かの真似をするのが嫌いでした。でも自分のこだわりばかり詰め込んでしまっては、土屋鞄というブランドの鞄ではなくなってしまいます。ブランドのイメージを崩さずにどこに自分らしさを入れられるか、そのバランスを探すのはものすごく難しいですが、同時にとてもやりがいを感じます」。 デザインする際には、学生時代に学んだ皮革の知識も活かされている。「いくら想像力があっても、ものづくりの基礎や素材の特性などをきちんと理解していなければ良いデザインはできません。バッグデザイン科でしっかりと革の基礎を学べたことが、デザイナーになった今、いろいろな場面で活かされています」。 そんな丸山さんもまだまだ勉強不足だと感じる瞬間がある。「芯材や、それをつける接着剤、そのふたつと革との相性によって鞄の雰囲気はガラっと変わります。今は試行錯誤しながらやっていますが、もっと経験を積んでより素材を活かしたデザインができるようになりたいです」。 そして、学生時代からずっと持ち続けている〝常に新しいことにチャレンジしよう?という気持ちは今でも変わらない。「意識しているのはとにかく客観的にデザインを考えること。先輩方のアドバイスで、今まで理解していなかった自分らしさに気づくこともあります。固定観念を捨てて、常に新しい見方をすることで、自分にしかできない土屋鞄のバッグをデザインしていきたいです」。123ツチヤカバンセイゾウショ / 1965年、ランドセルづくりからスタートした鞄メーカー。現在はビジネスバッグやハンドバッグ、財布などの小物まで幅広く展開。良質な革素材を使用し、世代を超えて受け継がれている丁寧な手仕事の技術が高く評価され、人気を集めている。COMPANY :土屋鞄製造所MY GOODS革の質感を活かしたデザインを「教科書としてここまで凝縮されているものってないと思うんです。社会人になった今でも、わからないことがあればすぐこの教科書を開きます。手放せないですね」学校で使っていた教科書PROFILE :まるやまはじめ / バッグデザイン科卒業。1994年、東京都生まれ。学生時代から土屋鞄でインターンとして働き、その後入社。1年間ランドセル職人として技術を磨き、現職に。Create 22バッグデザイナー(土屋鞄製造所)丸山 一NAME :Bunka Fashion College 1. Create 48