ブックタイトルファッション業界お仕事ブック

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概要

ファッション業界お仕事ブック

見た人をワクワクさせる「嘘の世界」をつくりたい。 ウィメンズのスタイリングを中心に、雑誌や広告、映像など幅広い分野で活躍中の酒井タケルさん。最近ではいろいろな縁もあり、映像作品に関わることが多い。リースでのスタイリングはもちろん、衣裳を一からつくったり、アレンジを加えたりすることもしばしば。本誌の撮影に伺った時も、映像作品で使用するドレス製作の真っ最中だった。監督の溢れるアイデアを形にする。次々と変更や調整が必要な衣裳づくりはいつも時間との勝負。このドレスも翌朝までに仕上げて、その足で撮影現場の八丈島へ……。とんでもないハードスケジュールでも本人は楽しそうだ。酒井さんはこんな状態を「スタイリングハイ」と名づけた。体力的には限界でも、うまくつくれていて「楽しい! もっとつくりたい!」と思ってしまう状態のこと。苦労した撮影も終わる頃には、達成感に浸る間もなく次のことを考えているという。 中学生の頃、雑誌でスタイリストの存在を知った酒井さん。地方在住だったこともあり、なかなかファッションの話でわかり合える友達がいなかった。 「早くスタイリストになりたい!」と入学した文化服装学院では、「やっと本来の自分になれる」と感じるほどうれしかったという。より実践的なことを学びたいと考え、在学中から複数のスタイリストのアシスタントを始めていた。卒業後も引き続きアシスタントを続け、22歳の時に独立。 「これまではスタイリストになる、ということだけを考えていて視野が狭かったので、スタイリストになってからは視野を広く持ち、面白いと感じたらなんでも受けてみようと思ったんです」。そのスタンスには、いろんな分野のスタイリストのアシスタントを経験していたことも役に立っている。「嘘の世界が好きなんです」。それは酒井さんがスタイリストになった理由のひとつ。写真や映像というファンタジーの世界では、不可能はなく、嘘がつききれる。そんな世界をつくり上げることに惹かれた。 「見る人をワクワクさせ、 少しでもその人の人生に影響を与えられるような仕事をしていきたい」と語ってくれた。1. 衣裳製作はアシスタントたちと協力して行っている。 2.今回は一からの手づくり。時には布を染めることもある。12MY GOODSミュージックビデオの衣裳を製作中!マイブームの入れ替わりが速いという酒井さん。今ハマっているのは、マダガスカルの植物を育てること! 自宅の温室には見たことのない立派な木が。希少種の種まで採取する本格派だ。植物の独創性がおもしろい!酒井タケルNAME :さかいたける / スタイリスト科卒業。1986年、福井県生まれ。文化服装学院在学中より始めていたスタイリストアシスタントを継続し、2008年独立。雑誌をはじめ、広告やTV番組、CM、ミュージシャンの衣裳など幅広い分野で活躍している。Communicate 11スタイリストBunka Fashion College 3.Communicate 72