ブックタイトルファッション業界お仕事ブック

ページ
79/92

このページは ファッション業界お仕事ブック の電子ブックに掲載されている79ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

ファッション業界お仕事ブック

 退職後、蓮沼さんはハンドニットブランドのアン エディを本格的にスタートさせた。個展やポップアップショップなどを経て、今ではアーティストに衣裳提供を行うほどたくさんの注目を集めているブランドだ。「アン エディでは自分が今まで生きてきて経験したことや感じたことをそのまま形にしています。それを喜んでくれる人がいるということはとてもうれしいですね。これからも本能のままに、自分にしか編めないものをつくり続けていきたいです」。頭の中のイメージを本能のままにアウトプットする。 文化服装学院を卒業後、アパレルブランドで3年間デザイナーとして働いていた蓮沼千紘さん。ニットクリエイターとして活動している現在とは、まったく違うものづくりをしていた。 「当時はブランドのターゲット層に向けたデザインをしていました。今は自分の頭の中にひらめいたものをただアウトプットしているだけ。そして、それに対して興味を持ってくれる人たちがいる。以前とはスタート地点が違うんです」。企業にいた頃はなかなか自分のやりたいデザインができず、フラストレーションが溜まることもあったという。「既製服というものにあまり興味がなかったので、企業に就職することについてはとても悩みました。でも、興味がないからといってその世界を知らないままフリーになるのは違うかなって思ったんです。結果的に、市場で売られている服が企画から店頭に置かれてお客様の手に渡るまでの流れや仕組みを学べたことはとても良かったと感じています」。PROFILE :an/eddyBRAND :蓮沼千紘NAME :アン エディ / ニットクリエイター、蓮沼千紘が手がけるハンドニットブランド。伊勢丹でのポップアップショップやアーティスト Charaへの衣裳提供など、活動の幅を広げている。高校生の時に思いついたブランド名のan eddyは“小さな渦”という意味。はすぬまちひろ / ニットデザイン科卒業。1986年、神奈川県生まれ。卒業後はアパレルブランドで3年間デザイナー職を経験。退社後、高校生の時に立ち上げたハンドニットブランドであるアン エディの活動を本格的にスタートさせた。Before After 02ニットクリエイター1. 最近はチェコで買い集めてきたビーズを使用したアイテムづくりに励んでいる。 2. 新作のチョーカー。どちらもプラハのマルシェ(市場)で購入したグラスビーズを使用した一点もの。 3. 2015年に製作した「百花」シリーズ。喜怒哀楽を色に落とし込んだ作品。学生時代から使っているかぎ針は、編みすぎてクラスで一番に塗装がはげたほど。蓮沼さんは編み目を追えないほど編むスピードが速いのだそう。このかぎ針からアン エディの作品がいくつも生み出されていく。相棒の編み道具たち31MY TOOLS異素材を組み合わせてアクセサリーに2Beforeアパレルブランドで企画・デザイナーとして、ブランドのターゲット層が求める既製服づくりに励んでいた。Bunka 77 4. Before After Fashion College