ブックタイトルファッション業界お仕事ブック

ページ
82/92

このページは ファッション業界お仕事ブック の電子ブックに掲載されている82ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

ファッション業界お仕事ブック

 ファッション都市の代表格ニューヨークには、世界各国からファッションを発信したい人が集まる。そのニューヨークの中心地、マンハッタンにあるスリーワンフィリップリムのアトリエでは、イギリス、フランス、中国、韓国……さまざまな国籍のスタッフが働いている。まさに「人種のサラダボウル」のような職場だ。そこでパタンナーを務めているのが日本人の久保大輔さん。 20代の頃から「30歳までには海外に行く」と決めていた久保さんは、仕事で経験を積みながら語学を学び、すでに海外で活躍していた学生時代の友人に紹介された人に会うなどチャンスを求めて動いた。思いがけない転機が訪れたのは、ちょうど30歳を迎えた2011年のこと。「東京で出会ったデザイナーから2年ぶりに来たメールが、ニューヨークでの仕事のオファーだったんです。チャンスが舞い込んだ!と思い迷わず渡米しました」。チャンスに乗って渡った、競争と刺激の溢れる街。活躍できる場は日本だけではありません。海外に拠点を移した卒業生は、世界という大きなフィールドでも奮闘しています。海外 チャンスをつかんでやってきたニューヨークでは、実力のない人は容赦なく振い落とされるのが当たり前。「分業がしっかりされているので、パタンナーはほぼパターンをつくる仕事以外はしません。その分、パターンを引く量は圧倒的に多く、質とスピードを求められます」。そんな厳しい環境も久保さんには合っているのだという。「余分な業務をせずパターンに集中できるのはありがたいです。それぞれが他人のことを気にせず自分のやり方を貫き通しながらも、最後にはショーを成功させるというひとつのゴールに到達する。そんなニューヨーカーたちの姿勢にとても影響を受けています」。 久保さんが、海外で働くための秘訣を教えてくれた。「海外に行くと決めたら、行くまで絶対に諦めないこと。どの職種で働きたいのかを明確にして、それにつながるように日本にいる間からキャリアアップを目指すといいですよ」。競いながら目標に向かって進む人々が集まるニューヨークで、久保さんは今まで以上に仕事へのやりがいを感じている。日本から海外へ、そして海外から日本へ……国境を越えた卒業生たちが「グローバル」 な仕事について語ります。グローバルGlobal1231. スタイリングのポイントが書かれたショーサンプルが並ぶ。2. 久保さんが「やりがいを感じる瞬間!」という、ショー直前のバックステージ。 3. よく訪れるメトロポリタン美術館はインスピレーション源のひとつ。Aganovich 菅 さつきアガノヴィッチ / デザイナーのナナ・アガノヴィッチとエッセイストのブルック・テイラーが設立したブランド。ブルックがストーリーを作り、その世界観をナナが洋服に落とし込むスタイルで注目を浴びる。02NAME :3.1 Phillip Lim 久保大輔BRAND :PROFILE :パタンナーGLOBAL 01くぼだいすけ / ファッション工科専攻科卒業。1980年、東京都生まれ。三宅デザイン事務所のアトリエアシスタント、ヨウジヤマモト、atoのパタンナーを経て渡米。2013年よりスリーワンフィリップリムのパタンナーに。スリーワンフィリップリム / ニューヨークを拠点とする、カジュアルでクリーンなフェミニンさを追求したブランド。レディス・メンズウエアはもちろん、バッグやアクセサリーまで幅広く展開。Bunka Fashion College 6. Global 80