ブックタイトルファッション業界お仕事ブック

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概要

ファッション業界お仕事ブック

90 年以上にわたり服飾教育を行ってきた文化服装学院。実践的な教育は国外からの注目も高く、たくさんの留学生が世界中から集まり、巣立っています。留学生PROFILE :LEONARD WONGBRAND :黄 寅NAME :レオナード・ウォン / 2013年創設。デザイナーの世界観を追求し続けるエクスペリメンタルラインとコレクションライン(既製服)のふたつのラインを展開。アイテムの多くは、モノトーンで構成され、中国の文化と日本の文化など、ふたつの要素をミックスさせることで未来的なデザインを生み出している。こう・いん / アパレルデザイン科卒業。1986 年、中国生まれ。文化服装学院を卒業後、東京・日本橋でブランドを立ち上げる。2014 年に法人化し、レオナード・ウォン株式会社を設立した。GLOBAL 04デザイナー関してはなんの知識もなかったという。ファッション業界で活躍する今、振り返ってみると文化服装学院で過ごした3年間が人生の大きな転換期だったと話す。「中国の大学にいた時はネットビジネスなどの勉強をしていたので、服づくりに関してはゼロからのスタートでした。正直、最初は周りの学生に比べて劣っていました。でも、みんなに負けられない、もっと格好良く見せたい、と気持ちに火がついて、人一倍の努力をしたんです。今では僕を天才だと評価してくれる方もいますが、文化服装学院での学びがなければ、今の僕はありませんでした」。 学校での学びの中で最も大きかったのは、技術がしっかりと身につけられたことだという。「僕が服づくりをする上でいつも大切にしていることは、感性と理性の両方を持つことです。感性やイメージだけでは形にならない。そこに服をつくる技術が伴わないと本当にいいデザインにはなりません。実際に仕事をすればわかることですが、自分のデザインをやりたいようにできることなんて、ほとんどありません。限られた条件で落としどころを見つける……それをできるのが一流デザイナーだと思います。その実践的な環境が文化服装学院での学びにはありました」。 そんな黄さんが今後、目指していくブランドの方向性とは? 「アレキサンダー・マックイーンのようなブランドづくりをしていきたいです。彼はファッションにアートを取り込み、自分の世界観をつくり出した。そして、ビジネスとしてのラインもつくることで経営を確立させた。ほかのブランドにはない、確固たるブランドイメージをつくり上げたからこそ、そのイメージはずっと残り続けています。僕は、レオナード・ウォンをそういったブランドにしていきたいと思っています」。 斬新なビジュアルと独特の世界観、それを表現するファッションフィルム制作などの活動で、今業界内で熱い視線を向けられているブランド、レオナード・ウォン。オーナー兼デザイナーとしてブランドを引っ張っているのが黄 寅さんだ。 中国で大学卒業後の進路が定まらない時、中国人デザイナー、シェイフォンの本に出合い、そこで文化服装学院の存在を知った黄さん。ファッションと日本文化への興味から文化服装学院への進学を決めた。 しかし入学するまで、服づくりに実践的な学びがブランドに活かされている。1. 情報はスタッフ全員で共有。同じイメージを持つことで仕事がスムーズに進む。 2. 小さなアクセサリーのデザインまですべてのアイテムを黄さんがチェックする。 3. シーズンごとの世界観を表現するコレクションラインは細部までこだわった造形でアート作品のよう。ミーティングでスタッフ全員とイメージを共有321MY GOODSファッションフィルムの撮影やショーで使う舞台装置も自分たちの手でつくる。特殊な工具の数々もレオナード・ウォンの世界観づくりには欠かせない。独特の世界観は工具でつくるBunka Fashion College 6. Global 82