文化出身、次世代クリエイターたちのつながり Next!

コットンフィールド 販売・企画 杉村 萌弥 1985年生れ。東京都出身。2005年アパレルデザイン科メンズコース卒業。卒業後、東京・吉祥寺にある人気の手芸屋「コットンフィールド」に入社。1年目はアルバイトとして、その後社員となり今年で7年目を迎える。販売・仕入れ・企画と幅広く担当し、買い付けに海外へ出張に行くなど多忙な日々を過ごしている。個人としてもアクセサリーなどを制作し、友人と展覧会を開くなどしている。

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marmelo エディター 秋山 美紀子

文化服装学院卒業後、文化出版局へ入社。「装苑」の編集者を経て独立。独立後も「装苑」誌上にて「ニューカマー」のコーナーを連載するほか、さまざまなファッション媒体で活動中。また「ウェブセレクトショップマルメロ」のオーナーや、ファッション学校やセミナーの講師も行なっている。

マルメロの公式サイト

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コットンフィールド 販売・企画 杉村 萌弥

手作りを楽しむ方々に国内外の生地やパーツを届けていきたい

次世代のファッション業界を支える、文化の若手卒業生を紹介する企画「Next!」。今回ご登場いただくのは、東京・吉祥寺にある生地・手芸屋「コットンフィールド」で販売・企画などを手掛ける杉村萌弥さんです。

お客様に近い人が売れるものを感じて仕入れをする

東京・吉祥寺にある「コットンフィールド」は、生地や洋装材料、アクセサリーパーツなどを取り扱う人気の手芸屋さん。そこで販売、仕入れ、企画を手掛ける杉村さんは、手作りを楽しむお客様へ喜んでもらえるような様々な提案をしています。「1日の仕事で多くの時間を費やすのは販売です。会社としては販売している人が一番売れるものを知っているというスタンスなので、販売と仕入れ担当を分けずに兼任しています」。そのため、国内外問わず商談や取引を重ね、海外へ買い付けに向かうことも多い。杉村さんは、お店の特徴でもあるUSAコットンの仕入れから、アクセサリーのパーツ、リボンなどの服飾資材に至るまでジャンルを問わず、すてきなものを見つけてきては仕入れをしている。

ハードながらもやりがいのある海外での買い付け

仕入れの方法は多岐に渡り、海外からパターン(生地の見本帳)を送ってもらい、柄を選んで発注したり、常に取引のあるメーカーから新商品を選んでくることもある。半貴石(天然石)、ヴィンテージパーツ、ビーズパーツなどは直接海外へ行って買い付けることが多いという。「天然石などの仕入れでは2週間前には香港へ行ったばかり。またアメリカのアリゾナ州などにも訪れています。最近ではリボンや羽根などの服飾資材の仕入れで韓国に行くことも多いです」。仕入れは身体的にはハードだというが、好きだから苦にはならないという。「買い付けはすごく重要な仕事です。それでお店の売り上げも変わってくるから」。輸入品をはじめとする他では手に入らないような商品ラインナップのセンスが大事な柱となり、そこを担う杉村さんのやりがいは大きいようだ。

企画という仕事もお客様への重要なアピールに

手作りを楽しむお客様へ向けて“アイディアを届ける”というのも重要な仕事。企画という肩書を持つ杉村さんはお店の材料を使って、サンプルなども制作している。「参考見本として作ったサンプルと同じものが作れますよ、というパーツのセット販売を提案しています。ネックレスやピアスなどのアクセサリー類から、初心者の方でも、貼るだけで仕上がるバッグのアクセント作りなど、様々なアピールをしています」。自らが作ったデザインアイディアを多くのお客様が気に入って作ってくれる、そんな瞬間はとてもうれしいそうだ。アルバイトのときに初めて作ったキーホルダーのサンプルはとても評判が良く、自分自身の記念として買い取った思い出の品だそうだ。


テキスタイル売り場での販売風景。


杉浦さんが仕入れを担当しているUSAコットン生地。

難しさと喜びを感じる販売という仕事

入社して7年目となるが、今でも難しいと感じているのが接客の仕事だそう。「出張中でも、宿泊先やレストランなどでいいサービスを受けたらそれを学んで生かすようにという会社の方針があります。良い接客を目指そうとすると、まだまだやるべきことは多く、奥深い仕事だと感じています」。多くのアルバイトを抱える同店では、年齢は若くても社員である杉村さんが様々なことを管理しなくてはいけないこともあり、日々勉強中だそうだ。「でも接客中に、自分が仕入れた商品が売れていくと“よし、やっぱり!”って仕入れに確信が持てて、嬉しくなります。しらみつぶしに探して仕入れたとっておきのパーツが売れていく場に立ち会えるのは、販売をしているからこそ味わえるものですね」。

スキルアップしながら仕事を邁進していきたい

在学中は、文化祭をはじめとするファッションショーの企画長として、年間を通じて多忙な日々を過ごしていた杉村さん。「その分、クラスの垣根を越えて、とても多くの友人ができたことは今でもよかったことだと思っています」。イラストレーターになった学生時代の友人とは、社会人になったから展示会を開催したりするなど、今でも多くの友人と交流があるそうだ。「展示会で発表した作品の一部は今もお店に飾ってあります。そういった活動も理解してくれるので、忙しいながらも日々楽しく仕事をしています。今後は仕入れに行くために、もう少し英会話などのスキルを磨いていければと思っています」。
※この取材内容は2012年8月時点のものです。


最近の人気は韓国のレース。仕入れに韓国へ行くこともある。


USAコットンを張り付けてアレンジしたサンプルのバッグ。


様々なパターン(見本帳)から、仕入れするものを選ぶときもある。左はリボンのパターン、右はシルクのパターン。


左 海外からの仕入れが中心の天然石などのアクセサリーパーツ。
中 会社に入って初めて作ったキーホルダーのサンプル。
右 昨年の冬に大人気だったニットとファーのスヌードのサンプル。表のニットは手編み。


左 お店の生地で作った小物。バッグの中には必ず手作りのものがあるようにしているそう。
右 パレットの上で層になって固まった絵の具を樹脂で固めたパーツ。イラストレーターの友人との合作。

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