将来を見据えた、パタンナーとしての再スタート。
文化を卒業後、デザイナーとしてアパレルメーカーに入社した張さん。学校でもデザインを中心に勉強してきた張さんが、数多くの一流ブランドを取り扱う「株式会社クリエイトルーム」のパタンナーとして働くきっかけになったのは、「デザインだけでなく、服作りの基本であるパターンメイキングの経験を積みたい」という思いからだったとか。「1月に転職したので、まだ仕事の流れを掴めてきたところなのですが、いつかアメリカで写真の勉強をしている姉と洋服のブランドをつくるのが夢なんです。姉も写真学校を卒業したばかりなので、お互い納得できるまでキャリアを積んでから実現したいと思っています」。
より正確さが求められるOEMのパターンメイキング
服飾専攻科の授業でもパターンを引いてきた張さんですが、OEMのパタンナーの仕事を手がけるようになって基本の大切さを実感していると言います。「ブランドからデザインの指示書をもらい、その指示書に従ってパターンを起こして、ファーストサンプル、セカンドサンプルを作り、デザイナーに確認してもらいながら、その都度修正を加えていきます。量産されるものなので、数ミリのずれでも洋服の仕上がりに影響してしまうため、より正確さが求められます。1、2年生のときに授業で習ったスカートのベンツの縫い代のつけかたや、ジャケットの芯を貼る部分など、一番の基本が今、生かされています」
人とのつながりを大切にしながら向上していきたい
パタンナーは、デザイナーからの指示書からイメージを膨らませて要望を汲み取ることが醍醐味とも言える仕事だが、縫製工場のスタッフに伝える仕様書を作成するのも大切な役割。「パターンに添える仕様書の作成も初めての経験でした。"誰が見ても分かるように"書き方を自分なりに工夫しているのですが、それがなかなか難しい」張さんが手がけた作品はまだ10着ほど。パターンを起こすところから検品まで関わるので、先輩からの教えなど、すべてが経験につながる。「パターンチェックで上司に指摘されてから気づくことがけっこうあるので、上司に言われる前にチェックできるように早くなりたいですね」