文化出身、次世代クリエイターたちのつながり Next!

MAIN by VINTAGE DECOLLERスタッフ 吉井 恵里奈 1988年生まれ。長崎県出身。2008年ファッションビジネス科卒業。卒業後アパレルメーカーに入社し、セレクトショップで2年間販売員として働く。退職後の今年4月よりヴィンテージショップDECOLLERに勤務した後、代官山に移転しMAIN by VINTAGE DECOLLERで接客、お直し、リメイク、プレス等を担当している。

writer

ライター 小仁所 木綿

文化服装学院スタイリスト科を経て、ファッション流通専攻科ファッションディレクター専攻を卒業。ストリートカルチャー誌の編集部に在籍した後、独立しフリーの編集・ライターとしてファッション、ビューティ、音楽、ダンスなど幅広い媒体で活動中。

writer

MAIN by VINTAGE DECOLLERスタッフ 吉井 恵里奈

ヴィンテージというものがもっとたくさんの人に浸透していったら

次世代のファッション業界を支える、文化の若手卒業生を紹介する企画「NEXT!」。
今回ご登場いただくのは、この春代官山にオープンしたばかりのヴィンテージショップMAIN by VINTAGE DECOLLERでスタッフとして働く吉井恵里奈さんです。

直感とタイミングで決まった仕事との出会い

高感度なショッピングエリアのイメージが強い代官山に、このほどオープンしたばかりのヴィンテージショップ「MAIN by VINTAGE DECOLLER」。そこでスタッフとして働いている吉井さんは、文化卒業後は某大手企業のセレクトショップで販売スタッフとして2年間勤務していた。そして退職したのとほぼ同時のタイミングで、現在のショップで働くことが決まったのだとか。その経緯が実に興味深く、「もともと自分が住んでいる家の近所にお店があったんですけど、そこに初めて入ったときに直感で『このお店で働きたい!』って思ったんです」と言う。そして自らオーナーにアプローチをし、前職を退職したタイミングでオーナーから新規オープンの話をいただいたのだそう。

もともと興味のあった服作りに携わりたい

ビジネス科ではマーケティングなどを主に勉強してきた吉井さんだが、もともと服作りに興味があったことや、販売だけの仕事に疑問を感じるようになっていた。「2年間働いた販売を辞めるときには勇気がいりましたが、何か作り手にもなれるような職業に就きたかったんです」。文化に在学中は課題が多くハードだったとのことだが、市場や流通について勉強できたことは前職でも現在の仕事でも役に立っているようだ。さらに「1年のときに基本の縫製で服の構造を学んだことは今とても役に立っていますね。ヴィンテージアイテムは作りが変わっている物があったりもするんですけど、そういった物も臨機応変に相談しながらリメイクをしています」。

リメイクする楽しさと仕事のやりがい

現在ショップで働くスタッフはオーナーと吉井さんの2人。ショップではヴィンテージアイテムのリペアや、解体してサイズを変えたり、デザインに手を加えるなどのリメイクを施している。アイテムを洗濯したり、ショップのタグを付けたりもするようだ。さらに基本的なお直しは無料で行っているとのことで、「お客さんの希望に合わせて、デザイン変更でない限りのお直しは無料で行っています。そこが他のヴィンテージショップとは違うところかもしれないですね」。もちろん接客や店内のディスプレイ、今後はブログの更新なども行っていく。「家でミシンを動かすことはありましたが、今いろいろと教えてもらいながらリメイクなどもやっていて、すごくやりがいがあるし、とても楽しいですね」。


ショップではミシンを使ってリメイクの作業も行っている。

都会的なヴィンテージアイテムを発信

店内には買い付けしたインポート商品もあれば、オーナーが作ったものも置いている。「もともと池尻大橋にお店があったんですが、立地的なこともあり、地域密着型な感じでしたね。それはそれでよかったんですけど、もっとヴィンテージを広めたかったし、更なるステップアップとして買い物エリアである代官山に移転することになったんです」。代官山のショップは大通りに面していることもあり、店内も明るく、買い物ついでにも入りやすい。「うちのお店は海外のスウィートルームを内装のコンセプトに、白い絨毯やシャンデリア等、高級感のあるヴィンテージショップで、商品のコンディションも良いものが揃っています。アイテムもテキスタイルがカラフルで都会のリゾートっぽいテイストのものが多いので、立地も代官山の方が合う感じがしますね」。

ヴィンテージの魅力をもっと広めていきたい

自分でリペアやリメイクをしているアイテムが多いので、以前よりも接客の際にアプローチがしやすくなったとのこと。もともと海外に興味があり、インポートアイテムが好きなこともあるので、ゆくゆくは買い付けをしたり、自分でオリジナルの物も作りたいという吉井さん。「日本ではヴィンテージというものがあまり広まっていないので、実際に自分で1点しかない物を見つける楽しさだったり、日本にはないテキスタイルだったり、そういう物を身に付けたいと思っている人が少ないように感じるんです。古着というスタンスじゃなくて、ヴィンテージという捉え方でもっとたくさんの人に浸透していったらいいなと思います」。
※この取材内容は2010年5月時点のものです。


店内のディスプレイを任されることも。どちらも吉井さんが手がけたもの。


接客は笑顔でお客さんとの会話を楽しみながら行っている。


新品の既製品にはない魅力を放つおすすめのヴィンテージアイテム。
左から1970s USA vintage salopette¥13,340、main by vintage remake dress¥21,000、ALAIA 1980‐90s vintage dress¥84,000


ヴィンテージならではの独特なカラーリングとデザインが目を引く小物も豊富に揃う。

Links
NEXT

INDEX PAGE/今まで登場した卒業生たち

PAGE TOP