文化出身、次世代クリエイターたちのつながり Next!

JOHN LAWRENCE SULLIVAN 営業 柳川 鉄平 1982年生まれ。広島県出身。II部(夜間部)服装科に通いながら、昼間はアパレルの販売や生産管理として働く。卒業後、兄の荒士がやっていたJOHN LAWRENCE SULLIVANに参加。主にデザイン以外の業務を担当する。2007年春夏より東京コレクションに参加し、2008年に東京・中目黒にフラッグシップショップをオープン、2011-12年秋冬よりパリコレクションに発表の場を移す。

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ライター 武田 京子

日本大学芸術学部放送学科在学中、文化服装学院II部服装科に入学、卒業。文化出版局『装苑』編集部に在籍後、いくつかの編集部を経て2005年よりフリーの編集・ライターとして活動。

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JOHN LAWRENCE SULLIVAN 柳川 鉄平

周りの人たちとのつながりを大切に「格好いい」ことを追求していきたい

次世代のファッション業界を支える、文化の若手卒業生を紹介する企画「NEXT!」。今回ご登場いただくのは、JOHN LAWRENCE SULLIVAN の営業としてブランドを支える柳川鉄平さんです。

兄とともにブランドを運営

英国テーラードをもとにした、美しいフォルムの紳士服が注目を集めているジョン ローレンス サリバン。2011-12年秋冬にはパリコレクションにデビューし、今もっとも勢いのあるブランドのひとつとして知られている。そんなブランドを陰で支える柳川さんは、デザイナー・柳川荒士さんの弟。ブランドの立ち上げ当初から、デザイナーである兄と力を合わせ二人三脚でブランドを運営してきた。「兄がブランドをスタートさせたのは、僕が文化の3年生のときでした。卒業後一緒にやるようになったのは、自分が文化で学んだ知識やアルバイトで培った商品・生産管理の経験を、何か役立てられるのではないかと思ったからです。2008年にフラッグシップショップを立ち上げるまでは、ほかのスタッフもおらず兄とふたりだけで、作業を分担しながらこつこつと洋服を作り、発表していました」

ブランド運営の幅広い業務に携わる

現在、主にメンズ部門の営業を担当する柳川さんだが、商品・生産管理のサポートやスタッフの管理など、ブランド運営に関わる細かいところまで手掛けている。仕事の軸は年2回のパリコレクションと、その合間に開かれる展示会。時間があれば都内のショップを訪れて商品の動きをリサーチしたり、ショップスタッフやバイヤーとコミュニケーションを取ったり、いつも忙しく走り回っている。「出社してメールチェックした後、デスクにじっと座っていることはまずありません。営業は人との関わりがすべてですが、僕は人と話をするのが大好きで、相手がよほどの人見知りでない限り、初対面の人とでもすぐに打ち解けられます。そういう意味では、今の仕事は自分にすごく向いているのかなと思います」

ひとつのファミリーのように

ジョン ローレンス サリバンのスタッフは、ショップスタッフも含めて現在9名。仕事が終わればみんなで食事に行くこともあり、ひとつのファミリーのようだという。実は、経理を担当しているのは柳川さんの姉。姉・兄・弟の3人が、それぞれ自分の得意分野を生かしてブランドに携わっている。「よく『兄弟で仕事をすると大変じゃないですか?』と聞かれますが、不思議とそんなことはありません。兄とは年齢が7つ離れているせいか、お互いの意見がぶつかることはありませんし、かといって変に遠慮することもなく、何でも相談できる関係です。もちろん、無理難題を言われて大変なこともありますが、無理なときは無理とはっきり言えるのは兄弟のよさだと思います」


パソコン、iPad、スマフォ、名刺が仕事ツール。スケジュールは主にスマフォで管理。

中学のころからファッションの道を志す

小さいころから、7歳年上の兄に憧れて育った柳川さん。中学高校時代は、既に東京で生活していた姉、兄を訪ねて広島から上京し、おしゃれなショップに連れていってもらっていたとか。「そのころから東京でファッションの仕事をするのが目標で、はやく社会に出たいと思っていました。なので、働きながら学べるⅡ部を選んだのは自然の流れでした」。学生時代は昼間アルバイトをし、夜は学校が終わったら兄のもとに駆けつけ、兄や兄の仕事仲間と遊んでいたそう。「みんな僕より年上で、既にファッションの現場で働いている人たちだったので、話をしていて面白く刺激を受けました。そんなわけで、学校の友達と遊ぶ機会はあまりなかったですが、卒業した今でも、ブランドの展示会を見にきてくれる同級生がいるのはすごく嬉しいです」

目の前のことに懸命に取り組む

ブランドを始めた当初は行く末がよく見えなかったが、「とにかく格好いいものを作ろう」という思いで今日までやってきたという柳川さん。東京コレクションに参加したときも、その後パリコレクションに移ったときも迷いはなく、思い立ったことはすぐ行動に移してきたそうだ。「これまでブランドをやってこられたのは、周りの人たちの助けも大きかったですが、何より好きなことだったからだと思います。好きなことなら苦しいことがあっても楽しいし、たとえ失敗しても『勉強になった』と前向きに考えられるはずです。長期的な目標を立てることも大切かもしれませんが、今はまず、目の前にあることを一生懸命やっていきたい。これからも走り続けていきたいです」
※この取材内容は2011年10月時点のものです。


プレスルームにて、プレス担当の小松さんと打ち合わせ。


白を基調とした、ミニマムな空間が広がるプレスルーム。


2012年春夏コレクションより。ブランドの主軸である、タイトなシルエットのテーラードジャケット。


2012年春夏コレクションより。今季の特徴のひとつである、カラーブロックとストライプのコーディネート。


2012年春夏コレクションより。カラフルなオーガンジー素材や、異素材を組み合わせたアイテムを取り入れた、新しい価値観のメンズスタイルを打ち出した。

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