成熟した大人のための服作りを行う
2010春夏コレクションでデビューしたブランド「LOKITHO」(ロキト)。そのデザイナーであり、運営を行っているのが木村晶彦さんだ。ブランド名の「ロキト」とは、北欧神話の火の神「ロキ」をアレンジしたものだが、特に深い意味はなく、言葉の響きが気に入りなんとなくつけたそう。「あえて何語でもなく、意味もないというものにしたかったんです」。また、ブランドコンセプトは「For witty women」。「機知のある、大人の女性をイメージして服作りをしています。大人といっても年齢ではなく、皮肉も面白く言えるような、内面的に成熟した女性…という感じでしょうか」
デザイナーとして、経営者として
木村さんはデザイナーであると同時に経営者でもあるため、もの作りだけに集中できないことも多い。特に営業は初めての経験であり「性格的に向いているとは言えませんね」と笑う木村さんだが、「営業代行をお願いすることもできますが、まずはひと通り自分でやってみることが大切かなと思っています」と語る。そんな自分について、「何事もじっくり考えるタイプ」と分析する木村さん。ブランド運営の面でもクリエーションの面でもいろいろ思い悩むというが、「あまり考えすぎても前に進めないので、よく考える部分と、あえて考えないようにしている部分とがあります。でもついつい、いろいろ考えてしまうんですよね」
大勢の人にコレクションを見てもらいたい
取材に伺ったときは、2010-2011秋冬コレクションの制作中だった木村さん。「次回のコレクションでは、ちょっとひとくせある、深みのある素材にこだわっています。見た目や色が面白かったり、タッチに特徴があったりする素材から発想を得ています」。なお、デビューコレクションでは自身のアトリエで展示会を開いたが、より多くの人に自分のクリエーションを見てもらうために、次回は合同展示会への出展を予定しているとか。「今はいろいろ試行錯誤している段階ですが、あまりのんびりもしていられないので、限られた機会や予算をどう生かしていくか、経営者としてよく考えねばならないと思います」