未知のジャンルだったニットの仕事に就く
アパレル企業のクロスプラス東京に勤務し、ニット部署のデザイナーとして働く新ヶ江さん。文化に在学中に行っていた就職活動で様々な会社を受け、一番初めに内定をもらったのが現在の会社だったようで、それが入社のきっかけとなった。新卒で入社し今年で2年目となるこの仕事だが、それまでニットに関しての知識やノウハウなどはほぼ無く、一から学んだことばかりだったようだ。 在学中はデザインを専攻していたがニットの勉強はほとんどしていなかったので、ゼロからスタートしたようなものだった。「最初はもう何もわからなかったですね。文化でデザインの勉強はしてきたけど、ニットに関しては入社して仕事をしながら覚えていったという感じです」。
素材作りから始まるニットデザインの奥深さ
ニット部署にはデザイナーが7人在籍し、新ヶ江さんはエレガンス系を担当している。仕事の内容としては、デザインから生産までの一連の流れを全て行っている。通常のアパレル企業であればデザイナーと生産は担当が分かれることがほとんどのようだが、それを全て担うとなるととても大変そうだ。「本当に幅広く仕事を任されるので、多くのことを把握し、仕事量も多くて結構ハードですね」。デザイナーの仕事としては、まず糸を選ぶことから始まり、糸の番手や組み合わせなどを考えながらデザインにはまる素材を当て込み作り出すことから始まる。「染色もするので、単なる形だけじゃなく、風合いや色などもデザインに大きく影響するので、素材からのスタートでとても作り応えがあります」。
ハイペースな展示会に向けて多忙な日々
生産までの大まかな流れとしては、展示会を行い、クライアントであるメーカーとサンプルも用いて商談をし、修正後、生産に至る。しかもクロスプラスでは2ヶ月に1度のペースで展示会を行っているとのことで、かなりのハイペースで商品が生産されているようだ。「展示会が終わったと思ったらもう次の展示会に向けて動くのでとにかく忙しいですね」。展示会で受注を受けてそのまま生産することもあるようだが、メーカーから別注のオーダーを受けて形(デザイン)を変えて生産することも多いのだそう。商品の半数近くは量販店へ生産しているが、それ以外にもジュンコ シマダやアツロウ タヤマなど、デザイナーブランドのOEMも行っている。