服作りの現場を学べるOEMの会社に入社して
大手ファッション企業のブランドから依頼されたデザインを、パターンに起こして商品化し、出荷するまでの一連の業務を請け負う「株式会社 美ショウ」。そこでパタンナーとして活躍する李さんの仕事の幅は、とても広い。「入社してからの研修期間は社内にある、裁断、縫製現場、事務所でのデスクワーク、出荷の4つの部門を一通り経験した後に、パタンナーとして働き始めました」最初は、その作業が何のためにしているのかわからなかったそうだが、だんだんと仕事の流れが掴めてきたという。「今は、トゥモローランドのブランド"ボールジー"のカットソーを担当しています。展示会が近いときは一番忙しいですね」
様々なブランドの服を手掛けられるおもしろさ
OEMのパタンナーの仕事は、依頼するブランド側が何を求めているかを瞬時に察する能力が必要とされる。「ブランドからイメージのマップや絵型が届きます。それからファーストサンプルを作り、展示会前にはブランド担当者と一型ずつ打ち合わせをして3~4回の修正を重ねていきます。その後、量産するための生地でもサンプルを作り、修正を加えていきます」そういった積み重ねをしていくことで、どういうものが流行っているかなど、トレンド分析をしていくこともできるそうだ。「依頼された指示書が大まかで"雰囲気を出して"といわれたときに、自分なりに考え、思い通りのものができて、それが相手にも満足してもらえたときは嬉しいですね」
自社ブランドの子供服デザイナーを任されて
パタンナーとして入社した李さんだが、企画の仕事にも以前から興味があった。そんなとき自社ブランドで子供服を立ち上げることに。「弊社でブランドをスタートさせるのは初のことで、私自身も子供服を作った経験といえば、学校の教科書で学んだことと、文化祭のバザー商品制作だけでした」(笑)。そんな手探りの状況の中、姉妹の物語をイメージした「arisana(アリサナ)」をスタート。「子供服を作るなんて、思ってもみませんでしたが、自分が成長できると感じられてやりがいがあります」