スタイリストとデザイナーを両立
横田さんは、有名ミュージシャンやタレント、若手アーティストなどのスタイリングを手掛けるスタイリスト。独立して6年が経つが、その間にファッションブランドを立ち上げるなど、スタイリストという枠を超えて幅広く活動を行っている。現在、JACKSON MATISSEを運営するメンバーは横田さんを入れて3名。全員が横田さんと同じく、ブランド運営とほかの仕事を掛け持ちしているという。「違ったジャンルで働くスタッフがそれぞれのノウハウを持ち寄り、新しいアイデアが生まれるところが面白いです。また、ひとつの業務に掛かりきりにならないことで、いい意味でビジネスライクになりすぎず、遊びの部分を残しながら仕事が出来ていると思います」
興味のあることはとりあえずやってみる
スタイリストは撮影日に向けて仕事をするため、一定期間のスケジュールを動かすことができない。そのため、まずはスタイリストの仕事優先でスケジュールを埋めていき、その合間にブランドの仕事を入れていくという。「逆にブランドの展示会が開かれる時期は、スタイリストの仕事を入れないようにしています。スケジュール調整は、ちょうどパズルを埋めていくような感じです」。ただし時間のやりくりは、「大変なこともありますが、決して苦ではありません」と横田さん。「僕は、興味を持ったことは何でもやってみたいタイプ。逆にやりたいことをひとつに絞ることができないので、いくつかのやりたいことがうまくリンクするための方法を常に探している感じです」
ふたつの仕事が好影響し合うとき
ファッションブランドJACKSON MATISSEは、「とりあえずTシャツでも作ってみようか」という気軽な気持ちからスタートさせた。最初は手探りの部分もあったが、スタイリストとして世の中のトレンドを見ていることが、デザインのアイデアを考えるときに大いに役立ったという。また、スタイリストの仕事が思わぬところで助けとなったことも。「商品のリースに行くとき、仲のいいプレス担当者にブランドの新商品を見てもらい、意見が聞けたりするのはすごく有難いです。実際自分の働きかけで、大手アパレル企業のショップに商品を置いてもらえるようになったこともあります。おそらく飛び込みで営業に行っても話を聞いてもらえないでしょうし、もともとの信頼関係があったからこそ話がまとまったのかなと思います」