大学に通いながらファッションへの道を選択
オフィスから飲食店、パーラー、アミューズメントパークまで様々な職業のユニフォームウェアを展開しているイスト。そこでグレーダーとして勤務している花里さんは、大学に通いながら二部服装科に通っていた。そこで3年間学んだ後に技術専攻科へ編入したという経緯だ。「地元が上野ということもあって服に興味はあったんですけど、高校が付属だったのでそのまま大学へ進学したんです。大学では考古学を専攻していたけれど仕事にはできないと思い、大学2年の時に文化の二部に入学しました」。そして技術専攻科を卒業後はオンワード樫山に入社。そこからグレーダーとしての職務をスタートし、オンワードで4年勤めた後に現在のイストへ転職した。
幅広いサイズ展開をするユニフォームウェア
パタンナーの作ったパターンをサイズ展開していくのがグレーダーの仕事だが、もともとはパタンナー志望だったという花里さん。「でも今ではグレーダーの方が向いていると感じます。自分には合っていると思いますね。CADを使って仕事をするのが好きなので」。オンワードでは一般衣料として多くのブランドのグレーディングを手掛けていたが、ユニフォームウェアとなるとサイズ展開の幅に違いがあるようだ。サイズ展開が多くはない一般衣料に比べ、ユニフォームは5号から23号まで10サイズの展開をするという。「仕事量はそんなに変わっていないと感じますが、やる範囲は広くなったと思いますね。10サイズあってもそれに合わない人のための特寸という対応もするので」
サイズが大きくなるほどバランスが大事に
一般衣料と同様に1年に春夏・秋冬の2シーズンに分けて新作が発表されるユニフォームウェア。しかし一般衣料に比べてデザインものが少なく、実用性や着心地が重視されるため素材も多くは選べない。そんな中でもトレンド要素が取り入れられることもあり、シルエットやスカート丈などは年々変化しているようだ。グレーディングにおいてはバランスが重要になるという。「10サイズも展開するとなると、大きければ大きいほど形が崩れやすくなります。ただ単に同率で拡大するのではなく、9号のバランスを大きいサイズの人にどれだけ同じバランスで着てもらえるか。いかに崩さないで着てもらえるか。そういったことを視野に入れてピッチを考えています」