兄とともにブランドを運営
英国テーラードをもとにした、美しいフォルムの紳士服が注目を集めているジョン ローレンス サリバン。2011-12年秋冬にはパリコレクションにデビューし、今もっとも勢いのあるブランドのひとつとして知られている。そんなブランドを陰で支える柳川さんは、デザイナー・柳川荒士さんの弟。ブランドの立ち上げ当初から、デザイナーである兄と力を合わせ二人三脚でブランドを運営してきた。「兄がブランドをスタートさせたのは、僕が文化の3年生のときでした。卒業後一緒にやるようになったのは、自分が文化で学んだ知識やアルバイトで培った商品・生産管理の経験を、何か役立てられるのではないかと思ったからです。2008年にフラッグシップショップを立ち上げるまでは、ほかのスタッフもおらず兄とふたりだけで、作業を分担しながらこつこつと洋服を作り、発表していました」
ブランド運営の幅広い業務に携わる
現在、主にメンズ部門の営業を担当する柳川さんだが、商品・生産管理のサポートやスタッフの管理など、ブランド運営に関わる細かいところまで手掛けている。仕事の軸は年2回のパリコレクションと、その合間に開かれる展示会。時間があれば都内のショップを訪れて商品の動きをリサーチしたり、ショップスタッフやバイヤーとコミュニケーションを取ったり、いつも忙しく走り回っている。「出社してメールチェックした後、デスクにじっと座っていることはまずありません。営業は人との関わりがすべてですが、僕は人と話をするのが大好きで、相手がよほどの人見知りでない限り、初対面の人とでもすぐに打ち解けられます。そういう意味では、今の仕事は自分にすごく向いているのかなと思います」
ひとつのファミリーのように
ジョン ローレンス サリバンのスタッフは、ショップスタッフも含めて現在9名。仕事が終わればみんなで食事に行くこともあり、ひとつのファミリーのようだという。実は、経理を担当しているのは柳川さんの姉。姉・兄・弟の3人が、それぞれ自分の得意分野を生かしてブランドに携わっている。「よく『兄弟で仕事をすると大変じゃないですか?』と聞かれますが、不思議とそんなことはありません。兄とは年齢が7つ離れているせいか、お互いの意見がぶつかることはありませんし、かといって変に遠慮することもなく、何でも相談できる関係です。もちろん、無理難題を言われて大変なこともありますが、無理なときは無理とはっきり言えるのは兄弟のよさだと思います」