コレクションと展示会で、年間スケジュールはいっぱい
フリルやレースを使ったスタイルに、テーラードジャケットなどのマニッシュなテイストを組み合わせたレイヤードスタイルを得意とするブランド“fur fur”。デザイナーである古橋さんに今の仕事を伺ってみた。「年に4回の展示会、春と秋に開催される年2回のコレクションに向けての活動が中心です。そこにイレギュラーで制作するスポット企画のお仕事もあります」それは、他のファッションブランドや映画とのコラボレーション企画まで多岐にわたる。「コラボ企画以外にも、展示会には出していないけれど、直営店からのリクエストなどで商品を追加生産することもあります」多忙なスケジュールを押してまで、それらに答える古橋さんには理由があるようだ。
手作りとプロダクト的なミックスが“fur fur”の特徴
「ラフォーレ店はオープンして2年近く経ちますが、店頭からのリアルなお客様の声は、とても参考になります。定期的に店長を交えてミーティングをし、お客様との距離感を近くしたいと思っています」お店ができたことで、古橋さんが得意とする手作りの一点物を発表できることもうれしいことだという。「手作りものを得意としていますが、すべて私が一人で作るには限界があります。今はそういった生産背景も整ってきたので量産可能な手作りのものと、お店だけの完全な一点物など、いいバランスで展開できるようになりました」手作りものとプロダクト的なもののミックス、それらがうまく融合したさじ加減が“fur fur”の特徴という。
ブランドのイメージを凝縮した今回のコレクション
2009-‘10年秋冬のコレクションは、ハーブ魔女を思わせるナチュラルでミステリアスなエッセンスと、ロマンティックなフリルやレースの繊細さ、田舎の農夫のようなオーガニックな雰囲気をキーワードにコレクションを展開した。「今回は4回目のショーで、一本軸を通したいというのがあって、今までやってきたことの集大成の意味を込めて制作しました。得意なものを集中して見せたシーズンだと思う。ストレートにブランドのイメージを伝えました」素材には、ウールリネンやタータンチェックなどを使用し“らしさ”をアピール。そこにマーティン・マニグ氏による毒気あるユーモアなイラストを取り入れたラインもアクセントとなった。