YELLAWデザイナーへ抜擢されることに
2011-2012年の秋冬コレクションより、メンズブランドYELLAW(イエロー)のデザイナーに就任した横尾さん。すでに3年目を迎えるこのブランドのデザイナーを引き継ぐことになったわけだが、そのきっかけは人との繋がりによるものだったという。「知人を通じてYELLAWの次期デザイナーを探しているという話を受けたのがきっかけです。今までデザイナー職だったわけではありませんが、自分自身、作る側に関わってみたいと感じていたタイミングでした。そこで、話だけでも聞いてみようとこのブランドを手掛ける会社の代表と会うことになりました」そこで初めて会った代表とも意気投合し、話し合いの結果、横尾さんがデザイナーに就任することとなった。
古着屋で培った、服に対する審美眼をいかして
スタイリスト科に在籍していた学生時代、横尾さんはスタイリストを志し、憧れのメンズスタイリストのアシスタントに応募するが、年齢の若さなどを理由に断られてしまう。そこで以前から、古着が好きでよく通っていた「ヌードトランプ」に入社をしたいと思うようになった。人気のショップへの入社希望者は多く、さらにその当時、女性スタッフしか取らなかったという狭き門だったが、ちょうど男性スタッフが辞めるというタイミングもあり、横尾さんが採用されることとなった。入社後、販売をしていたが半年後には、海外への買い付けに同行するようになったという。「販売をしながら、月1回くらいのペースでアメリカへ行くようになりました。初めはただついて行くだけで精一杯でした」。販売からバイヤー業務、そしてスタッフをまとめていくような重要な役割まで、多くの経験を積むことになった。
販売、バイヤー、そして物作りの現場へ
ヌードトランプで多くの服に関わっていくにつれ、横尾さんの中で「服を作る側」への興味が徐々に沸いてきたという。周囲にもそのことを話してしているうちに、YELLAWデザイナーへの話が舞い込んできた。デザイナー職をしてきたわけではなかった横尾さんだが、そこにためらいはなかったという。「全部初めてのことでしたが、今までのYELLAWのイメージを引き継ぐ必要性はなく、自分自身の好きな世界観を作り出していいということだったので、知らないことだらけでも楽しく物作りに挑むことができました」という。好きな古着をベースにしたデザインを取り入れたデザイン画を描き、制作を依頼するOEM会社との打ち合わせをこなしていく。初めて出会うOEM会社のスタッフとも気が合い、そこから物作りに対する多くのことを学んだ。「自分の頭の中にあるものをイメージ通りに伝えるのは難しいですね。作り手ともっとコミュニケーションを取ってそのあたりを強めていきたいです」。