Q1.この科の特徴は?

スクリーンプリントやデジタルプリントをはじめ、織り、編み、染色まで、テキスタイル制作のあらゆる技法を習得する科。一、二年次のうちからさまざまな素材・テクニックに触れ、自分の好きな表現を次第に掘り下げていき、三年次にもなると自由自在にテキスタイルをつくれるようになります。また、服づくりの授業で服に仕立てたり、コンテストに出したりと、ただテキスタイルをつくるだけで終わらないところがこの科の最大の魅力。そして、充実した施設・設備も大きな強みです。織機やスクリーンプリントのできる捺染(なっせん)台などプロフェッショナルが使っている本格的な設備が揃っており、3学年合わせて50名ほどの少人数制ということもあって、好きな設備がほぼ自由に使える環境。また、学校が持っているテキスタイル研究所もたびたび利用しており、そこで織りの作業をさせてもらったり、「この組織で織ってください」とオーダーしたりすることも可能です。
 

Q2.文化服装学院を選んだ理由は?

母がジュエリー会社を経営しており、僕自身も子供の頃からリングなどのデザインをしたりして、ものづくりが身近にある環境で育ちました。将来は何かものづくりに携わりたいと思っていましたが、親の希望もあって、高校卒業後は大学に進学。就職活動ではおもちゃメーカーなどの営業職を狙っていたのですが、自分でつくっていないものを営業するということに違和感を覚え、まずものづくりを経験した上で就職したいと考えなおしました。そこで、何をつくりたいのかに真剣に向き合った結果、アロハシャツが大好きだったことからプリントへの興味が生まれ、テキスタイルデザインを本格的に学んでみたいと思うように。テキスタイルが学べる学校をリサーチしたところ、ファッションテキスタイル科があり、規模が大きく設備が整っているなど、理想的な条件が揃っているのが文化でした。実家から通えるロケーションということもあって、文化で学ぶことに迷いはありませんでした。
 

Q3.好きな授業は?

「テキスタイルクリエイション」という授業では、テキスタイルを開発し、最後にみんなの前でプレゼンテーションを行ないます。自分の理想のテキスタイルに好きなように挑戦できるところが魅力で、使う技法は染めでも織りでもプリントでもOK。完成品のサイズにも決まりごとはないため、自由度はかなり高めです。唯一の条件は、何のためのテキスタイルなのか、用途を明確にすることで、製品になることを見据えたテキスタイルづくりが要求されます。クラスメイトのつくった作品は本当に個性的で、見るだけで刺激を受けています。課題としてつくったテキスタイルをそのままジャパンテキスタイルコンテストに応募する人が多いのですが、毎年のように賞を受賞している学生がいることが、この科で身につくスキルの高さやクリエイティブな発想力を証明しているのではないでしょうか。
 

Q4.学生生活で一番力を入れたことは?

在学中は、テキスタイルの開発に力を入れ、いろいろなコンテストやコラボレーションに挑戦しました。2年次の「テキスタイルクリエイション」の授業では、爬虫類(カイマントカゲ)の皮膚にインスピレーションを受け、発泡プリントを駆使して凹凸のあるテキスタイルを制作。スクリーンを3つの版に分けてプリントし、大きなパーツは5度ほどプリントを重ねました。学校の捺染台を使い、プリントだけで10日ほどかかったと記憶しています。膨らんでいるパーツにはスポンジブラシで明るい色を乗せ、樹脂コーティングをした上で最後に熱を加え、ツヤ感を出してトカゲの皮膚っぽさを演出するなど、細部にまでこだわって仕上げました。このテキスタイルにさらに改善を加えたものをジャパンテキスタイルコンテストに出品し、学生の部で佳作にあたる「シーズ賞」をいただきました!
 

Q5.1日を円グラフで表すと?

1日のスケジュール
学業とアルバイトを両立させるため、ものごとを逆算してスケジュールを立て、時間を最大限有効活用することを心がけました。授業が終わり次第すぐアルバイトに向かえるように、授業内で作業を終わらせられるよう集中。常に効率よく動けるように、例えば服づくりの場合なら、縫製の順番を自己流にカスタマイズし、作業しながら片付けをするなど工夫もしました。リフレッシュも大切にしていて、すでに習慣になっているウェイトトレーニングのほか、トカゲ、カエル、ザリガニ、メダカなどペットの世話が癒やしになっています。
※取材内容は2023年3月時点のものです。
 

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