Q1.この科の特徴は?

マーケティングやマーチャンダイジングをメインに、デザインや服づくりも含めてファッションをバランスよく学ぶことができる学科。グループワークの授業でブランドコンセプトを立て、デザインをみんなで決めます。また、服づくりの授業で実際にサンプルを制作し、また別の授業ではそこでつくる服の販売戦略を考えるというように、すべての授業が関連し合っているのがこの科の最大の特徴。企画を立ち上げてから販売するまで、すべての過程を企業目線で学ぶことで、社会に通用する知識やノウハウが身につきます。授業のほとんどがグループワークで進むため、自分の頭の中にあるアイデアを伝わりやすい言葉に置き換えたり、他の人に自分の意見を伝えて説得したりする場面が多く、コミュニケーション能力も高まりました。
 

Q2.文化服装学院を選んだ理由は?

私は出身が韓国の釜山で、ソウルのファッション大学を目指して勉強していました。結局受からなかったのですが、それをきっかけに、以前から考えていた海外留学に方向転換。親と相談した結果、近くて安全な国である日本のファッション学校を探すことに。文化を選んだのは、アジアで一番の学校と言われていること、そして卒業生には世界的に活躍している人がたくさんいて、国際的に名前が通っている学校だから。ここで勉強できれば、自分もきっと成功できるに違いないという予感めいたものがありました。事前準備のために来日したとき、語学学校に通いながら文化の試験を受けました。高校でも日本語は勉強していましたが、まだうまく話せなかったし、他に試験を受けに来ている留学生たちの日本語能力がとても高かったので不安はありましたが、結果は合格!人生でいちばん嬉しい瞬間でした。
 

Q3.好きな授業は?

「MD論」と「アパレル造形」です。「MD論」は自分のアイデアや独自の感性をどうやって実際の服に落とし込むかを学ぶ授業。まずグループに分かれ、グループごとにブランドを企画し、コンセプトを立てた上で実際に商品のデザインまでを手がけます。コンセプトを決める人や、デザイナーなど役割を決めるグループもあれば、すべて話し合いで決めているグループもあり、私たちはメンバーそれぞれが3つずつデザインを出し合った上で、絞り込みましたが、だんだんとブランドが形になっていく過程にワクワクさせられました。ここで手がけたデザインを、「アパレル造形」では実際に制作します。座学で学んだMD論と服づくりの知識や技術をすぐに実践できるところがこの授業の魅力です。「MD論」と「アパレル造形」は、どちらも「実体のないものを具現化」する授業で、せっかく素晴らしいアイデアを持っていても、言葉やモノに置き換えて表現できなければ、それは何も持っていないのと同じことになってしまいます。私はこの2つの授業を通して、物事を見る視野がどんどん広がり、他の人は気づかないような細部にまで気を配った企画やものづくりができるようになりました。
 

Q4.学生生活で一番力を入れたことは?

この科はコラボレーションが多いことも特徴のひとつ。いろいろなコラボに参加し、力を入れましたが、中でも印象に残っているのは、3年次に取り組んだカジレーネという繊維会社とのプロジェクト。クラスの全員が自分の好きなものをみんなの前で発表し、企画内容がマッチングするなと思った人に声をかけてグループを組みます。私たちのグループは「働く女性のための服」をテーマに、仕事場でもオシャレに過ごせて、そのまま遊びにも行けるようなデザインを考えました。グループワークを通して日本語が上達したことはもちろん、企業の方とやりとりを重ねたことで、社会人目線で物事の考え方も身につけることができたのは、私にとって本当に大きな成長でした。そしてこのコラボレーションの醍醐味は、選ばれたデザインがそのまま商品化されるところ。私たちのグループが提案したデザインは一次審査を通過し、実際に服をつくってプレゼンテーションした結果、最終的に私のデザインした服が商品化されました!
 

Q5.1日を円グラフで表すと?

1日のスケジュール
アルバイトはしていますが、課題を最優先したかったので、時間を確保しつつ体のコンディションを整えるためにも、授業が午前中で終わる水曜日と週末だけに限定していました。課題は学校で終わらせるべきものと家でもできるものに振り分け、可能な限りは学校で終わらせるようにし、家では作業中に携帯を見ないようにして、とにかく提出期限までに仕上げるように集中して取り組んでいます。休みの日は、下北沢あたりで古着屋やビンテージショップ巡りを楽しんでいます。何も買わなくても、今では使われることの少ない昔の生地や縫製を見るのは面白いし、勉強にもなります。
※取材内容は2023年3月時点のものです。
 

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