Q1.この科の特徴は?

夜の時間を使い、服づくりの基礎から応用までを習得します。
Ⅰ部(昼間)服装科の2年間分を、私たちⅡ部(夜間)服装科は3年かけて学ぶ。と、よくそう例えられています。授業内容もほぼ同じで、3年次になると選択科目が増え、自分の特性や将来に合ったスキルを伸ばすことができるカリキュラムになっているのも特徴です。授業は18時から20時30分まで。その前後の時間を自分の都合に合わせて柔軟にスケジュールを組むことができるのがⅡ部の良さ。私のようにアルバイトをしていたり、会社に勤めていたり、または別の学校にも通いながらの方もいたりと、クラスメイトはさまざまなバックグラウンドを持っていて年齢も経歴もバラバラ。でも「ファッションが好き」という共通点を持っているので、そういうことに縛られずに交流できるはずです。しかも、みんな個性的で志が高い。昼夜問わず時間に追われる身で気分が上がらないこともありますが、クラスメイトから刺激をもらい、「私も頑張ろう」という気持ちにしてもらえます。初心者でも3年間で思い通りの服がつくれるほどの実力がつく環境だと思います。私は人生で最も濃い3年間を送りました。
 

Q2.文化服装学院を選んだ理由は?

祖母の母校であり、学校説明会での言葉が決め手に。
小さい頃から洋裁店を営む祖母の姿を見ていて、いつしかデザイナーになりたいと思うようになりました。祖母からの教えはあったものの、知識が乏しかったりデザインがありきたりだったりで、これはちゃんと学んだほうがいいと感じ、経済的な理由もあって夜間の服飾学校を探すことに。真っ先に挙がったのが、祖母の母校である文化服装学院です。学校見学に行った際、「夜間でもデザイナーを目指せますか?」と尋ねたところ、対応してくださった先生からの「昼間でも夜間でもやるべきことは変わりません。文化服装学院で何がしたいのか明確にし、見極めながら学ぶことが大切です」という言葉が胸に響き、入学を決意しました。
 

Q3.好きな授業は?

「服飾デザイン論」です。
1、2年次は必須科目の授業で、デザインの基礎知識を学び、それから応用で自分のデザインに落とし込んでいくという内容です。折り紙からパターンに展開していく方法など、この授業のおかげでデザインの幅が広がりました。また、特別講義も好きでプロのデザイナーやクリエイターの方が来てくださったり、手がけられた服やプロダクトに触れながら、どのように着想を得て制作していくかをリアルに知ることができて勉強になります。
 

Q4.思い出に残っていることは?

文化祭のファッションショーで副委員長と企画を務めました。
Ⅰ部と同じく、Ⅱ部が行う文化祭のファッションショーも学生主体で運営しています。私はデザイナーとして3年間作品を手がけました。また、2年次にはプレスを担当、3年次には副委員長と企画を掛け持ちし、より深くショーに携わりました。夜間は時間が限られてしまうため準備に1年かかります。学業、アルバイト、就職活動も同時に進行して本当に忙しかったですが、Ⅱ部ファッション流通科の人や学年が違う人など、いろいろな人と交流することができ、多角的な視点や協調性が養われ、自分の作品にいい影響を与えてくれました。
 

Q5.1日を円グラフで表すと?

1日のスケジュール
タスクを可視化させ、計画的に進める努力を。
月初めにやることをリスト化し、課題提出など決まっている日から逆算して計画を立てていきます。急な変更や無理なお願いにも対応できるように、タスクに優先順位をつけることも意識しました。とにかく計画通りに一歩ずつ進めることが大事。服づくりが上達するコツでもあると思います。時間ができたら必ずチェックするのが、社会情勢を題材にした映画やTV番組。TBSの『クレイジージャーニー』はよく見ます。世界中の奇想天外な人に焦点を当てた内容。そこから着想を得て作品を手がけるくらい影響を受けています。
※取材内容は2024年3月時点のものです。