デザイナーを目指す学生に向けて、商品企画力を高めるデザイン出しのトレーニングをはじめ、ブランド立ち上げに至るブランディングからプレゼンテーション力、ブランドをアピールするコミュニケーションデザインまでをおよそ一年間かけてブラッシュアップさせ、rooms43*出展を目指すというファッション工科専門課程 アパレルデザイン科の選択授業「ファッションプランニング演習」。出展にあたって行われたオーディションに挑戦したのは計15ブランド。その内、3ブランド(計5名)が見事出展のチャンスをつかみました。

 10月21日(木)~23日(土)に開催されたrooms43は、今回250以上ものブランドやクリエーター、プロジェクトが参加。大小のブースが並ぶ中、出入り口に近い小さなブースをシェアしての出展です。

 人を惹きつけるという意味とデザイナー3人のイニシャルをブランド名に込め、芯の強い、大人の女性の日常にフィットする服を作るNYM。立花友梨奈さん、ワイヤブットリー ナッチャワーさん、平賀 舞さんの3人のデザイナーがすべてを話し合いながら進めたといい、デザインが決まってからは肌触りのよい生地を求めて奔走し、サンプル製作、ミーティング、撮影で夏休みはほぼ終了したとか。来場者に「え、学生だったの?」と言われたこと、また「roomsスタッフ、この演習担当の先生から、NYMを選んでよかった」と声をかけられたことがなによりうれしかったといいます。

 実際のオーダー、商談につながったというのはビーズバッグのTwinklys。海外から取り寄せたビーズ等を使用し、何度も試作を重ねてオリジナリティを模索しながら製作したというシロキ ユナ☆さんは、「自分でブランドを運営していくという未来予想図がリアルになり、自身の成長を実感しています」とのこと。

 そして、合同参加という形で東京コレクションでも作品を発表したことのある守 マナミさんが手掛けるM’ORIMANAMI。「卒業後はこのブランドを本格始動させると決めています。その一歩を、自信を持ってスタートさせられればとこの授業を選択しました。世界観を出すための展示空間を作ること、ルックブック製作などは苦手でしたが、悩み、考え抜いたおかげで、今、自信を持ってブースに立てました」と話してくれたのは守 マナミさん。独特のショルダーラインは、すでにブランドのアイコニックなシルエットとなっている模様。大きな会場においても際立っていました。

 学び、それに伴う努力を重ねて、バイヤーやプレス、同業者の方々と対等な立場で商品について語り合うという貴重な経験を手にした学生たち。クリエーターとしての自覚と確信に加え、将来、自分のブランドを持つという夢を手繰り寄せたに違いありません。

*生活と文化に関連するブランドやアーティスト、プロジェクトが終結するクリエイティブの祭典「rooms(ルームス)」。年2回開催される大規模な合同展示会として、43回目を数える。

[3ブランドのインスタグラム] 
■NYM @_notyetmagnet_ 
■Twinklys @twinklys_world_ 
■M’ORIMANAMI @m.morimanami

[rooms] 
HP https://www.roomsroom.com/ 
Instagram @rooms_tokyo

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