6月16日(木)、ファッション高度専門士科3年とファッションディレクター専攻の学生を対象に、Yasutoshi Ezumiデザイナーの江角泰俊氏による特別講義が行われました。
江角氏は、(英)セントラルセントマーチンズを卒業後、ロンドンにて数ブランドのデザイナーアシスタントを務め、帰国。2010年に独自のブランドYasutoshi Ezumiを設立し、同年、国内外の有能な若手デザイナーの中から選ばれる『SHINMAI Creator’s Project』に選出されています。
今回の特別講義は、クリエイションを学ぶファッション高度専門士科と、ファッションの流通を学ぶファッションディレクター専攻のそれぞれ3年生を対象に2科合同で行われました。
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講義は、(英)セントラルセントマーティンズ美術学校への留学前~在籍中の話、ブランド設立について、そして今シーズンのコレクションについてなど、画像や資料、コレクション作品などを交えて行われました。
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GIVENCHYのデザイナーに抜擢されたAlexander McQUEENの服に衝撃を受け、海外留学を意識し始めたという江角氏。McQUEEnの出身校で多数の有名デザイナーを輩出している(英)セントラルセントマーチンズ入学までの道のりや、ショートコースでのエピソードなどもお話いただきました。
入学後は、世界各国から来た個性的な学生たちとともに、さまざまな表現方法を学んだという江角氏。セントマーチンズはデザインを学ぶ学校。技術先行型の日本の学校とは異なり、在籍中はひたすら“自分で自分にアイデアを与え、発想を広げていく”ことをくり返し、デザインの表現を学んだという。
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お持ちいただいたポートフォリオには、発想からデザインへと発展する過程がぎっしりと詰まっており学生たちは夢中になって見入っていました。
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帰国後は3年間の準備期間を経てブランドYasutoshi Ezumi設立。クリエイティビティとビジネスを考慮したデザインで2010AWよりコレクションをスタート。
今シーズンのテーマ『Fractal』のリサーチ資料は膨大なページ数。
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ネットでたくさんの情報が得られる今日でも、こういったリサーチには図書館が最適で、文化服装学院の図書館もフル活用されたそうです。
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お持ちいただいたコレクションピース。
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実際に学生が着用し、素材やフォルムについて説明いただきました。
量産を意識し、長方形でパターンを構成したことで量産の際の工賃を下げ、布地のムダも無くすことができ、結果、シルクなど良い素材を使用しても商品の価格を抑えることができたという。
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「ブランドをしていく上では、楽しいことも厳しいこともある。したいことがあるということは、その前にやらなければいけないことがあるということ。それを楽しみ続けることができれば必ず何か得られるはず。いつか同じファッションのプロとしてみんなに会えることを期待しています」と学生へのエールいただきました。
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90分の講義終了後、質問に列を作る学生たち。積極的にインターン志望している学生の姿も見られました。
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DESIGNERS PROFILE
江角 泰俊
1981年広島生まれ
ロンドン、セントラルセントマーティンズ美術学校ファッション&テキスタイル科卒業。
アレキサンダーマックイーン等コレクションブランドで経験を積む、2008 SS / AW アクアスキュータム にてニットウェアデザイナーを務める。帰国後ファッション,テキスタイルデザイナー/アートディレクターとして活動。
2010 AWよりファッションブランド Yasutoshi Ezumi を立ち上げるJFW主催の第3回SHINMAI Creator’s project に選出される。
2011AWより東京コレクションにて発表。

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